親知らず
親知らずの治療をご検討中のみなさまへ
親知らずは20歳前後で歯肉から顔を出してきます。40代や50代で顔を出してくることはほとんどありません。
親知らずは、必ずしも抜かなければいけないものではなく、正常に生えて、他の歯と同じようにしっかり噛めている場合は、特に抜く必要はありません。
ただ、周囲で腫れや痛みがあったり、歯並びに影響を与えているような場合は、抜いた方がよいこともあります。このように、親知らずへの対応方針は、親知らずの生え方や状態、周囲の清掃状態などによって変わります。
親知らずが生えていること自体は、何の問題もありませんが、生え方には個人差があり、今後のトラブルのリスクは人それぞれです。気になる方は、お気兼ねなくご相談ください。
親知らずはトラブルが起きやすい?抜くメリットとデメリット
親知らずは、お口の中で一番奥にあり、まっすぐに生えてこないことも多いため、周辺でトラブルが起きることがよくあります。
たとえば、親知らずの周りは歯磨きが難しく、磨き残しが起きやすいことから、親知らずやその手前の歯が虫歯になったり、歯肉が腫れて痛みが出ることがあります。また、親知らずが手前の歯を押すことで、歯並びが変わってしまうこともあります。
親知らずを抜けば、これらのトラブルを避けられるため、以下のようなメリットが得られることになります。
- 手前の歯が磨きやすくなり、虫歯のリスクを下げることができる。
- 歯肉が腫れて痛くなったりすることがなくなる。
- 親知らずに押されて、歯並びが変わってしまうことがなくなる。
- 虫歯ができると、他の歯と同じように痛みが出てしまうが、抜くことでそのリスクを下げられる。
ただし、メリットだけではなく、以下のようなデメリットもあります。
- 上の親知らずに関してはあまりないが、下の親知らずは抜歯することで、少しの間、腫れが起こる。
このように、親知らずを抜くことには、メリット・デメリットがあり、少なからず身体には負担がかかりますので、正常に生えている親知らずまで抜いた方がよいわけではありません。
そのため、親知らずを抜くことを希望される患者様には、抜くことのメリット・デメリットを説明させていただいた上で、お口の中の状態に合った治療方針を選択していただきます。
親知らずを抜かなくてはいけないのはどんな時?
親知らずは、必ずしも抜かなければいけないものではありませんが、中にはどうしても抜かなくてはならない場合があります。
それは、虫歯が進行している場合です。 他の歯は、虫歯ができてもすぐに抜く必要はありません。しかし、親知らずはお口の一番奥に生えており、歯磨きをするのも難しいです。治療に使用する器具は歯ブラシよりも大きいため、親知らずまで器具が届かず、物理的に治療ができません。そのため、抜く以外に選択肢がないのです。
初期の虫歯は痛みが出ないので、直ぐに抜く必要はありません。ただ、抜歯は歯をつかんで抜くため、虫歯が進行して歯が溶け、歯が柔らかくなりすぎると、つかむことができなくなり、抜歯が困難になります。
そのため、ある程度健康なうちに抜いておくという選択をした方がよい場合もあります。このあたりも診察にて判断いたします。
親知らずはすぐに抜いてもらえるの?抜歯までのステップ
親知らずは生え方に個人差があるので、最初の来院時は、まず状況の確認を行います。その日にいきなり抜くことは、ほとんどありません。
もし歯肉に腫れや痛みがある場合は、投薬を行い、炎症が治まってから治療を開始します。
歯肉が腫れているときは、体調を崩しているなど、免疫が低下しており、自分の体が症状をコントロールできない状態になっていることが多いです。そのような時は麻酔も効きにくく、免疫低下で傷の治りも悪いため、まずは症状を軽減することを優先します。
また、親知らずが炎症を起こして痛みが出ている場合は、お口の中の環境が悪化していることが多いです。細菌が増殖している中で外科的な処置をすることは、術後の感染リスクが上がりますので、お掃除をしてからの抜歯がおすすめです。
生え方によって抜歯にかかる時間も変わるため、治療はしっかりと診療時間を確保して行います。 ただ、下の親知らずは狭い場所に横向きに生えていることが多く、抜歯の際にアゴの骨の中にある神経や血管に触れてしまうリスクがあるなど、専門の施設でしか抜歯できないケースもあります。そのような場合は、専門の施設をご紹介させていただきます。
なお、親知らずをすべて抜く予定であったとしても、一度に何本も抜くと食事が大変になってしまいます。そのため、抜歯は複数回にわけて行うのがおすすめです。
親知らずの抜歯後はどうなるの?治療後の経過と注意点
親知らずを抜いた後は、少なからず痛みが生じます。ただ、薬でコントロールできる程度の痛みであることがほとんどです。
親知らずを抜くと、親知らずが生えていた部分に大きなくぼみができるため、物が詰まりやすくなることもあります。また、親知らずがなくなることで、風通しが良くなり、冷たいものがしみやすくなることもあります。
簡単な抜歯だった場合、当日は激しい運動を避けていただいていますが、食事の制限などはありません。ただし、2、3日は、雑菌による感染を避けるため、不特定多数が入るお風呂やプールは、控えていただくのが安心です。
親知らずの治療費用はどのくらいかかるの?
生え方などの状態によって変わりますが、レントゲンと合わせて概ね2,000円~4,000円程度になることが多いです。
これらは保険適用で3割負担の場合の目安の金額です。
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